SNS集客コンサルタントとは、SNSを活用した集客に関するコンサルティングを行う専門家です。ただし、SNS集客コンサルタントの業務内容や料金相場について明確な情報を持っていない方も多いでしょう。
この記事では、SNS集客コンサルタントの業務範囲、料金相場、選定する際のポイントを紹介します。SNS集客コンサルタントの役割を理解し、選定のポイントを把握することで、効果的なサポートを受けられるでしょう。
SNS集客コンサルタントは、SNSマーケティングに関するアドバイスや運用代行を行う専門家です。ただし、SNSコンサルタントには明確な定義や必要な資格はありません。そのため、業務内容は人や状況によって異なり、誰でも名乗ることが可能です。
大まかに「SNSマーケティングについてアドバイスしたり、運用代行をしたりする人」ということになります。
SNSマーケティングの需要が高まる中、多くの企業が自社でSNS運用を始めています。しかし、各SNS媒体(Facebook、Twitter、Instagram、TikTok、YouTubeなど)の特性や利用者層を考慮した投稿内容や頻度、更新時間を戦略的に決めることは難しい場合があります。
SNS運用コンサルタントは、企業のSNSマーケティング課題に対処し、運用業務を外注(もしくは一部を外注)することで、効果的なサポートを提供します。
SNS運用コンサルタントの業務範囲は以下の6つに分類できます。
それぞれの業務について、具体的な内容を解説します。
課題抽出では、SNS運用の目的を明確にし、その目的を達成するために存在する課題を洗い出し、解決すべき問題を特定します。
SNS運用において、適切な課題を抽出し解決することは重要です。目的達成に関係のない課題に取り組むと、時間の無駄や成果が出ない結果につながります。課題抽出は上流工程であり、抽象度が高いため、コンサルタントの経験によって大きく差が出る部分です。
そのため、SNS運用コンサルタントが今までどのように課題を抽出し、どう解決へ導いたかを共有すると良いでしょう。
戦略立案では、解決すべき課題に対処し、目的を達成するためにどのようにSNSを運用するかの戦略を検討します。
具体的には、ターゲット設定や商品・サービスの特性、各媒体ごとの特徴など様々な要素を総合的に判断し、目的達成に最適な戦略を立案します。
基本的には、ここで立案した戦略を元にSNSの運用を行います。また、戦略立案では目的達成までの進捗を評価できるKPIの設定も行います。
アカウントの初期構築では、SNSアカウントを運用できる状態に整え、広告運用の場合にはビジネスアカウントの初期設定を行い、正常に広告が配信できる状態にします。
例えば、SNSアカウントの初期構築には以下のものが含まれます。
また、YouTubeのような動画系の媒体では、画像・動画編集者やコピーライターの確保を行ったり、共通で使う編集ソフトのレクチャー等を行うこともあります。
SNS運用代行では、日々の投稿やユーザーからのコメントへの返信など、アカウントの日常的な運用を代行します。コンサルタントと聞くと、実務ではなくアドバイス的な意味合いが強く感じられますが、SNSコンサルタントによっては、こうした実務にも対応することがあります。
また、SNS運用支援では、投稿結果の分析やレポート作成、アカウント分析、アドバイスなど、運用の支援を行います。通常の運用をサポートするものが多いです。
レポート作成を例に挙げると、ユーザーの反応をデータとしてまとめ、その反応を見ながら投稿内容や時間帯を考慮し、運用を調整できます。その結果、ターゲットに対する反応の良い投稿内容や投稿時間に修正でき、SNS運用の効果を高められます。
SNSアカウントを作成することがゴールではなく、運用に関してSNSの専門家に依頼するのも選択肢の一つです。
自社商品やサービスの認知度を向上させる場合、フォロワーが多く影響力のあるインフルエンサーの活用が効果的です。インフルエンサーを起用し、投稿を拡散してもらえます。しかし、どのインフルエンサーを起用すべきか、どのように依頼すべきかなど、判断が難しいことが多いです。
SNSコンサルタントに依頼すれば、企業や商品に適したインフルエンサーを探したり、インフルエンサーの所属する事務所を紹介してもらえます。
インフルエンサーによって、得意なジャンルやフォロワーの層が異なります。そのため、SNSでインフルエンサーを活用する場合、コンサルタントがインフルエンサーとの繋がりをどれくらい持っているかも重要なポイントです。
SNS運用コンサルティングには、前述の通り、SNS運用代行や運用支援が含まれています。しかし最終的には、運用体制やノウハウを社内で確立したいという要望があります。
SNS運用コンサルタントの中には、SNS運用開始から社内での運用体制づくりやノウハウの蓄積を行うインハウス化支援を提供しています。このようにすることで、継続的な運用代行コストを支払わずに、社内にナレッジを蓄積し、コスト削減が可能になります。
SNSコンサルタントの業務範囲に対して、いくらでどれくらいのサポートを受けられるか気になるでしょう。ここでは、SNSコンサルタントのサポート内容を金額別で紹介します。
ただし、SNSコンサルの価格帯によって、サービス内容や品質が大きく異なります。コンサルタントによって柔軟に対応してくれるケースもあるため、あくまで参考価格として考慮してください。
料金相場 | 依頼先 | サポート内容 |
月2〜5万円程度 | フリーランス | 週に1回程度の投稿 |
月5〜15万円程度 | ・フリーランス
・SNSコンサル企業 |
・SNS運用代行
・月1回の月次レポート作成 |
月15〜30万円程度 | ・専門性の高いフリーランス
・SNSコンサル企業 |
本格的なコンサルティング |
月30万円以上 | ・SNSコンサル企業 | SNS運用に関する業務全般 |
それぞれのサポート例を解説します。
月額2〜5万円程度の価格帯では、主にフリーランスに依頼することになり、SNSアカウントで日々のコンテンツ投稿を任せる(運用代行)ケースが多いです。
具体的には、週に1回程度の簡単な投稿を行います。定期的な投稿を実施できるため、投稿までの時間が空き、アカウントが停止したと思われなくなります。しかし社外の方に依頼するため、社内でしか発信できないことや、リアルタイム性のある投稿など、一部投稿内容に制限がかかるデメリットがあります。
また、コメントの返信やレポート作成、アカウント分析などの業務は自社で行う必要があります。これらの業務に専任者がいる場合は、投稿のみを依頼する形でも良いでしょう。
月額5〜15万円程度の価格帯では、フリーランスまたは企業に依頼することになり、運用代行と合わせて、簡単なコンサルティング業務を行うことが一般的です。
具体的には、月1回の月次レポート作成と、打ち合わせでの解説を行うことが多いです。より詳細なアドバイスや相談が必要な場合は、月10〜15万円程度を見積もっておくと良いでしょう。
月15〜30万円程度の価格帯では、ほとんど企業に依頼することになりますが、一部専門性の高いフリーランス人材もこの価格帯でサービスを提供しているケースがあります。この価格帯では、本格的なSNSコンサルティングサービスを利用できるようになります。
具体的には以下のようなサービスが提供されます。
特定業務の切り出しではなく、上記のような専門性の高いサービスを受けたい方は、この程度の予算を確保するのが一般的だと言えます。
これらのコンサルティング業務のほか、投稿内容のディレクションなど、部分的な実務もサービス内容に含まれることもあります。アカウント初期構築から一貫したサービス内容のため、この価格帯未満のものより品質の高い投稿になりやすいです。
月額30万円以上の価格帯では、基本的に企業のみに依頼することになり、SNS運用に関する業務のほぼ全てを任せることが可能です。
具体的には次のようなサービスが提供されます。
こういった上流工程のほか、
上記のような実務を含めた業務を委託できることが多くなります。
また、画像や映像制作を含む場合でも、この価格帯から対応してくれる企業が増えます。ただし、クリエイティブの品質は、コンサルタントや企業によって大きく異なります。依頼する前に、実際にクリエイティブ制作まで請け負ったアカウントを教えてもらうと良いでしょう。
SNS運用コンサルは、必要な資格がないため、誰でもSNS運用コンサルを名乗ることができてしまいます。
だからこそSNS運用コンサル会社を選定する際は、注意深く行う必要があります。以下が選ぶ際のポイントと注意点です。
それぞれ解説します。
SNS運用コンサル会社に依頼する目的をできる限り明確にします。目的に合ったサービスを受けるられます。
具体的には、下記のように目的を言語化します。
なぜSNSコンサルを依頼したいのか?を明確にしておきます。
目的が曖昧だと、SNS運用コンサル会社が提供するサービスとのミスマッチが起こる可能性があります。SNSコンサルを依頼する目的を明確し、このズレを解消するために、何のためにSNSコンサルを依頼するか明確にします。
運用実績は、SNS運用コンサル会社の実力を示す重要な指標です。過去にどのような企業や業界で成功した事例があるか、また、どのような戦略や手法を用いて運用が成功したのかを確認しましょう。実績が豊富であれば、あなたの業界や目的に合った運用戦略を提案してくれる可能性が高まります。
SNSコンサルは、フリーランスではなく、法人に依頼しましょう。フリーランスのコンサルタントも優秀な人材がいますが、法人のコンサルタントに依頼することで、より安定したサービスを受けられることが多いです。
また、法人のコンサルタントは複数の専門家が所属していることが多く、異なる視点やアプローチで問題解決ができるメリットがあります。
SNS運用コンサル会社を選ぶ際には、適切なKPI(Key Performance Indicator)を設定し、それに沿った成果を上げている会社を選ぶことが重要です。KPIは運用の成功を測る指標であり、これが明確でないと成果を判断できません。
具体的に過去にどんなKPIを設定し、どんな結果が得られたかを聞きます。適切にKPIを設定し、追っているコンサルタントならKPIの設定根拠や推移を答えられます。
逆にKPIの設定を疎かにしている、あるいは行なっていないSNSコンサルタントは、運用において「ただ投稿するだけ」「レポート作成して渡すだけ」になることが多く、運用はうまくいかない可能性が高いです。
KPIの設定は、SNS運用の目的を達成するために重要な指標になります。KPIを確認して、どういった投稿をするか、どんな改善を行うかを考えられるコンサルタントに依頼しましょう。
最後に、複数のSNS運用コンサル会社から提案を受けることをお勧めします。
特に「安く、早く、必ず成果が出る」とアピールする企業は警戒する必要があります。
SNSコンサルはやればやっただけ成果が出るものではないからです。SNSという分野は多くの外部要因に左右されながら進むため、絶対に成功するパターンは存在しません。むしろ多くに失敗を積み重ね、試行錯誤することで成功へとつながります。これを理解している企業であれば、「安く、早く、必ず成果が出る」とアピールはしないはずです。
1つの企業に初めから絞らずに、複数の会社から提案を受ければ、客観的な視点を持つことができます。
今回はSNS運用コンサルについて解説しました。SNSの拡大とともに、SNSを使ったマーケティングを活用する企業も増えています。
ただ、SNS運用を自社で行なっていて、なかなか成果が出ないということもあるでしょう。そんな場合はSNSコンサルに依頼を出すのも手段の1つです。過去に運用実績があり、適切にKPIを設定し、追えているコンサルタントであれば、成果を出しやすいです。
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