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ネイティブアプリ開発とは?Webアプリとの違い・メリット・デメリットを徹底解説

公開日:2024年9月30日 更新日:2024年9月30日

スマートフォンやタブレットが日常の一部となった現代において、アプリ開発は事業成功の重要な要素です。特に「ネイティブアプリ」の開発は、ユーザー体験を最大化するために、多くの企業が選択するアプローチです。しかし、ネイティブアプリには開発コストや審査の難しさなど、デメリットも存在します。

今回は、ネイティブアプリ開発の特徴、Webアプリとの違い、具体的なメリット・デメリットを掘り下げて解説します。開発手法や活用事例にも触れながら、最適なアプリ選びのヒントをお届けします。

 

ネイティブアプリ開発とは?

ネイティブアプリ開発は、iOSやAndroidなどの特定のプラットフォーム向けに最適化されたアプリを構築するプロセスです。これにより、デバイスの機能を最大限に活用できるアプリが実現します。カメラ、GPS、プッシュ通知など、デバイス固有の機能をフルに使いたい場合には、ネイティブアプリが最適な選択肢となります。

また、ネイティブアプリはプラットフォーム固有の開発言語(SwiftやKotlinなど)を用いて開発されるため、OSやハードウェアとの親和性が高く、より滑らかなユーザー体験を提供できます。ネイティブアプリの開発は複雑で、コストもかかりますが、その分リッチな機能をユーザーに提供できる点が大きな利点です。

 

Webアプリとネイティブアプリの違い

動作速度とパフォーマンスの違い

ネイティブアプリはデバイス上で直接動作するため、動作速度が非常に速く、パフォーマンスに優れています。一方、Webアプリはブラウザ上で動作するため、動作が遅くなることがあり、特にデータ通信が不安定な場合にパフォーマンスの低下が顕著です。

ネイティブアプリのパフォーマンスの強み

ネイティブアプリは、スマートフォンのプロセッサーやメモリを最大限に活用できるため、グラフィックが多いゲームや、リアルタイムの通信を必要とするアプリに最適です。また、オフラインでも快適に動作するのが特徴です。

Webアプリの制約

Webアプリは、ブラウザ上で動作するため、特に処理速度や重い画像、動画コンテンツを扱う際に、ネイティブアプリに劣ります。通信環境によってパフォーマンスが変動しやすい点も、注意が必要です。

 

プラットフォーム依存の違い

ネイティブアプリは、特定のプラットフォームに依存しており、iOS向けとAndroid向けの2つのバージョンが必要です。一方で、Webアプリはマルチプラットフォーム対応が容易で、1つのコードベースで様々なデバイスで利用できます。

ネイティブアプリのプラットフォーム依存

iOSとAndroidはそれぞれ独自の開発環境とアプリストアが存在し、OSごとに専用の開発が求められます。これにより、デバイスごとの最適化が可能ですが、開発コストが高くなる要因にもなります。

Webアプリのマルチプラットフォーム性

Webアプリは、基本的にどのデバイスからでもブラウザさえあればアクセス可能です。特に更新やバグ修正が容易なため、開発コストを抑えたい企業には適した選択肢です。

 

オフライン対応とオンライン対応の違い

ネイティブアプリはオフラインでの使用が可能ですが、Webアプリはインターネット接続が必要です。これは大きな差であり、オフライン利用を前提としたサービスや、常に通信が確保されていない環境で利用するアプリにはネイティブアプリが有利です。

ネイティブアプリのオフライン対応

ネイティブアプリは、インストール後に端末にデータが保存されるため、インターネットに接続していなくても動作可能です。例えば、音楽アプリや地図アプリなど、オフラインでも使用したいシナリオでは重要な要素です。

Webアプリのオンライン依存

Webアプリは、通信環境が整っていなければ利用できません。これは、特に移動中や電波の弱い地域でアプリを使用する際にデメリットとなるため、オフライン利用が前提のアプリには向いていません。

 

ネイティブアプリのメリット

端末機能の活用

ネイティブアプリは、カメラやGPS、プッシュ通知などの端末機能をフルに活用できます。これにより、アプリの機能性とユーザーエクスペリエンスが向上します。

カメラ機能とGPSの活用

例えば、カメラを使ったQRコードの読み取りや、位置情報を利用したロケーションベースのサービスなど、デバイスのハードウェアと緊密に連携する機能を簡単に実装できます。

プッシュ通知によるユーザーリテンションの向上

プッシュ通知は、ユーザーにリマインダーや重要なお知らせを送信するための効果的な手段です。ネイティブアプリでは、この機能を活用することで、継続的な利用を促すことが可能です。

 

高速な動作と優れたユーザー体験

ネイティブアプリは、端末の性能を活かして高速に動作します。これにより、ストレスのないスムーズなユーザー体験が提供されます。

ネイティブアプリのレスポンシブなインターフェース

ネイティブアプリでは、タッチ操作やスクロールなどの動作が滑らかで、即座に反応します。これにより、ユーザーはアプリ操作に対するストレスを感じにくくなります。

UI/UXの最適化

ネイティブアプリは、各プラットフォームごとにUI/UXを最適化できるため、ユーザーは直感的な操作を体験できます。これにより、アプリ内での操作ミスが減り、満足度が向上します。

 

継続的な利用促進

ホーム画面にアイコンが表示され、プッシュ通知などを活用することで、ユーザーの継続的な利用を促進しやすい点もネイティブアプリの大きな利点です。

アプリアイコンの視覚的効果

アプリアイコンが常にユーザーの目に触れる場所にあることで、アプリを再度利用してもらいやすくなります。例えば、SNSやショッピングアプリでは、この効果を活用してエンゲージメントを高めています。

プッシュ通知の戦略的活用

プッシュ通知は、プロモーションや新機能の告知だけでなく、リマインダーや未読メッセージの通知などにも活用できます。これにより、ユーザーをアクティブに保ち、利用頻度を高めることが可能です。特にリテンション率が課題となるアプリでは、プッシュ通知は重要なツールです。

 

ネイティブアプリのデメリット

開発コストと期間の負担

ネイティブアプリは、ゼロからプラットフォームごとに開発するため、開発コストと期間がかかる傾向にあります。特にiOSとAndroidの両方で提供する場合、各プラットフォームに特化した開発が必要となり、リソースの投入が不可欠です。

プラットフォームごとの対応コスト

iOSとAndroidでは、それぞれ異なるプログラミング言語(SwiftやKotlin)が使用されるため、同じアプリでも2つの異なるバージョンを開発しなければならないことが多いです。これにより、開発費用が2倍に増加する可能性があります。

メンテナンスコストの増加

アプリが一度リリースされた後も、OSのアップデートに対応するために定期的なメンテナンスが必要です。特に新しいiOSやAndroidバージョンがリリースされるたびに、互換性の確保が求められるため、追加の開発工数が発生します。

リリース時のアプリストア審査

アプリをリリースする際には、App StoreやGoogle Playの審査を受けなければなりません。これが開発の自由度を制限する要因となります。

アプリ審査の厳格さ

特にAppleのApp Storeは、審査基準が厳しいことで知られています。アプリの内容やデザインがガイドラインに適していない場合、リジェクトされることがあり、リリースに時間がかかる可能性があります。

審査後の対応負荷

一度リジェクトされると、修正点を見直し、再度提出しなければならないため、計画していたリリーススケジュールに影響が出ることがあります。また、アップデートのたびに再審査が必要となるため、継続的な対応が必要です。

 

ユーザー獲得の難易度

Webアプリに比べ、ネイティブアプリは初回インストールの手間があるため、新規ユーザーの獲得が難しくなりがちです。

初回インストールのハードル

ネイティブアプリを利用するには、まずユーザーにアプリをダウンロードしてもらう必要があります。これは、WebアプリのようにURLをクリックするだけで利用できるわけではなく、手間がかかるため、離脱の原因となることがあります。

ストア内での競争激化

App StoreやGoogle Playには数百万以上のアプリが存在するため、目立つことが困難です。ダウンロード数やレビューの管理、ストア内でのランキングなど、競合他社との競争が激しくなる傾向があります。

 

PWAやハイブリッドアプリとの比較

ネイティブアプリは、デバイス固有の機能を最大限に活用できる一方で、PWA(Progressive Web App)やハイブリッドアプリといった他の開発手法もあります。これらは開発コストやリリースの自由度、ユーザーへのアクセスのしやすさで異なるメリットを提供します。ここでは、それぞれの違いを詳しく解説します。

 

PWA(Progressive Web App)の導入事例

PWAは、Webアプリの技術を基にしたアプリケーションで、Webサイトをネイティブアプリのように動作させることができます。インターネットブラウザを通じてアクセスできるため、インストールの手間がないのが大きな利点です。

PWAのメリットと導入企業

PWAの大きなメリットは、ユーザーがアプリをダウンロードする必要がなく、直接Webサイトからアクセスできる点です。これにより、ユーザーの獲得が容易であり、更新もリアルタイムで反映されます。例えば、TwitterやPinterestなどはPWAを採用しており、スムーズなユーザー体験を提供しています。

SEOとの相性

PWAはURLベースで動作するため、検索エンジンにもインデックスされやすく、SEO対策に有利です。また、Googleのモバイルファーストインデックスに対応できるため、モバイルデバイスでの検索順位の向上が期待できます。

 

ハイブリッドアプリの特徴と活用事例

ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリとWebアプリの要素を組み合わせたアプリケーションです。1つのコードベースで複数のプラットフォームに対応できるため、開発工数やコストを抑えることが可能です。

ハイブリッドアプリのコストパフォーマンス

ハイブリッドアプリは、iOSとAndroidの両方に対応できるため、開発にかかる時間やコストを削減できます。特に中小企業やスタートアップにとって、限られたリソースでアプリを提供したい場合に有効です。

ハイブリッドアプリのパフォーマンスの課題

ただし、ハイブリッドアプリはネイティブアプリほどパフォーマンスが高くない場合があります。特に、複雑なグラフィック処理やリアルタイムのデータ通信が必要なアプリでは、ネイティブアプリの方がスムーズに動作することが多いです。

 

ネイティブアプリを採用すべきサービス・ユースケース

ネイティブアプリは、スマートフォンやタブレットの機能を最大限に活用できるため、特定のサービスやユースケースに最適です。以下では、ネイティブアプリが特に効果的なシナリオをいくつか紹介します。

プッシュ通知を利用したサービス

プッシュ通知は、ユーザーエンゲージメントを高めるために重要な機能です。ユーザーにリマインダーや新しいコンテンツを通知できるため、学習アプリやフィットネスアプリ、リテンションを重視するアプリに適しています。

フィットネスアプリの事例

フィットネスアプリでは、毎日のトレーニングや目標達成のリマインダーを送ることで、ユーザーが習慣的にアプリを利用するよう促します。また、進捗状況の通知なども可能で、利用頻度を高めるために非常に有効です。

学習アプリでの利用促進

学習アプリでは、次のレッスンや復習のリマインダーをプッシュ通知で送信することで、継続的な学習をサポートします。ユーザーにとって便利で、アプリのリテンション率を向上させる手段となります。

 

位置情報を活用したサービス

位置情報を頻繁に使用するアプリ、例えば配車サービスや見守りアプリなどは、リアルタイムでの位置情報の取得が不可欠です。ネイティブアプリはGPS機能と連携し、正確な位置情報を提供できます。

配車アプリの事例

配車アプリでは、ユーザーの現在地を正確に把握し、最適なドライバーを手配するためにネイティブアプリのGPS機能を利用します。リアルタイムでの位置情報を処理する際に、ネイティブアプリの信頼性が大いに役立ちます。

見守りアプリの活用

見守りアプリでは、子供や家族の現在地をリアルタイムで確認でき、緊急時にも即座に対応できるように位置情報を活用します。このような用途では、Webアプリよりも素早いレスポンスを提供できるネイティブアプリが適しています。

 

まとめ

ネイティブアプリは、デバイス固有の機能をフルに活用することで、他のアプリ形式よりも優れたユーザー体験を提供できる場面が多々あります。プッシュ通知や位置情報の活用など、特定の機能が重要なアプリにおいては、ネイティブアプリが最適です。しかし、開発コストやメンテナンスの負担が大きい点も考慮に入れる必要があります。PWAやハイブリッドアプリとの比較を行い、プロジェクトやビジネスの目的に合った最適なアプリ開発手法を選択しましょう。

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この記事を書いた人

釣見 駿

株式会社CLANE 取締役 / 学生時にマイナビニュースでメディア運営を行う。その後広告代理店で働きながら、2018年にCLANEの創業時にジョイン。WEBデザインや広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けします。

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