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COBOLとは?特徴やメリット、利用分野と将来性を徹底解説

公開日:2024年11月8日 更新日:2024年11月8日

COBOL(コボル)は、ビジネスアプリケーションの分野で長い歴史を持つプログラミング言語です。特に金融や行政といった分野での利用が多く、世界中で稼働する多くの基幹システムに組み込まれています。その信頼性と安定性により、現在もCOBOLの需要は高く、新しい技術が登場する中でも独自の価値を持ち続けています。この記事では、COBOLの特徴やメリット、利用分野、そして今後の将来性について徹底解説します。

 

COBOLとは何か

COBOL(Common Business Oriented Language)は、事務処理や基幹システムに特化したプログラミング言語です。1959年に米国で開発され、今日も多くの企業や政府機関で利用されています。COBOLは、事務処理や基幹システムの分野での効率化を目指して設計されたため、可読性の高い構文や、プラットフォームの依存性が少ない設計が特徴です。プログラムの実行環境に関係なく動作できるため、広範な環境で信頼性の高い処理を提供してきました。COBOLの開発から60年以上が経過しても、企業の基幹システムや行政システムにおける必須の技術として根強い需要があります。

 

COBOLの特徴

COBOLには、他のプログラミング言語と異なるいくつかの特徴があり、そのためビジネス用途や大量のデータを扱うシステムにおいて特に適しています。以下でその主要な特徴について詳しく見ていきます。

 

高い可読性

COBOLは、自然言語に近い構文を持ち、プログラミング経験の少ない人でも比較的読みやすい点が特徴です。特に英語に似た文法で構成されているため、ビジネス要件をそのままコードに落とし込みやすい利点があります。技術者だけでなく、ビジネス側の担当者も理解しやすく、業務ロジックの管理がしやすくなっています。COBOLを使えば、ビジネス要件に即したシステムを短期間で構築することが可能です。

 

移植性が高い

COBOLは、プラットフォーム間での移植性が高く、Windows、Unix、Linuxなど多くのOS上で動作するよう設計されています。この特徴により、異なるシステム間でのデータ共有や、プラットフォームを越えた連携が容易です。また、プラットフォーム依存が少ないため、企業がシステム環境を変えた場合でも、COBOLで構築されたシステムをそのまま利用できるケースが多いのです。これにより、システムの長寿命化と安定的な運用が可能です。

 

保守性が優れている

COBOLの保守性の高さは、1960年代から企業で長く利用され続けてきた実績に裏打ちされています。標準化された構文と、英語に近い自然な文法により、他のエンジニアが既存のCOBOLコードを理解しやすいのが特徴です。新しいシステムへの移行が難しい基幹システムにおいては、COBOLのように保守が容易な言語が特に重要とされています。

 

大規模データのバッチ処理が可能

COBOLは、大量のデータ処理を一括で行うバッチ処理に適しています。金融業界や政府機関などでは、日次や月次で数百万件の取引データを処理するケースがあり、COBOLはこうした大量データを効率的に処理するために広く利用されています。このバッチ処理の能力は、COBOLが多くの企業において長く使用されてきた大きな理由の一つです。

 

COBOLのメリット

信頼性が高い

COBOLは、60年以上の運用実績があり、信頼性の高いプログラミング言語として広く認知されています。数十年にわたり企業の基幹システムで稼働しているCOBOLプログラムは、継続的なメンテナンスとバージョン管理によって、その信頼性を維持しています。この信頼性の高さから、COBOLは金融業や政府機関などで今もなお重宝されています。

 

安定した運用が可能

COBOLで構築されたシステムは長期間安定して稼働するため、企業にとってはシステムの安定性とメンテナンスのしやすさが大きなメリットです。多くのCOBOLシステムは、一度構築されると数十年にわたり運用が続けられ、運用環境が大きく変わらない限り、安定して稼働し続けます。特に業務の基幹部分において、COBOLの安定性は高く評価されています。

 

COBOLの利用分野

金融業界

業務システムでの採用

金融業界では、銀行や保険会社の業務システムにCOBOLが広く利用されています。特に金額計算の精度や、大量データの効率的な処理が必要とされる金融分野において、COBOLは非常に役立つ存在です。

 

行政システム

大量データの処理

COBOLは、政府機関の大規模なデータ処理にも採用されています。日々増加する国民のデータや税情報の処理などで活用され、大量データのバッチ処理に適していることが強みです。

 

企業の基幹システム

業務基盤のシステム構築

多くの大企業では、COBOLを使って基幹システムを構築しています。COBOLは特に信頼性と安定性が高く、業務の基盤部分に最適なプログラミング言語とされています。

 

ホテルや予約システム

宿泊・座席予約システムの構築

ホテルの宿泊予約や交通機関の座席予約システムなど、頻繁な予約や金額計算が必要な業務でもCOBOLが利用されています。大量の予約データを効率的に処理できるため、宿泊施設や航空業界でも利用が続けられています。

 

COBOLの課題

エンジニアの高齢化

COBOL技術者の年齢層が高齢化していることが課題の一つです。新しい技術に比べ、COBOLを学ぶ若い技術者が少ないため、COBOLシステムの保守・運用を担う人材の確保が難しくなっています。

 

新規案件の減少

COBOLの新規開発案件は減少傾向にあります。現在はJavaやPythonといった新しい言語を使ったシステム開発が主流となっており、COBOLの利用は保守業務に限られることが多くなっています。このため、COBOLエンジニアの需要が縮小傾向にあることも課題とされています。

 

COBOLの将来性

短期的な需要の継続

COBOLは、新規開発案件は減少しているものの、現在稼働しているシステムの保守運用業務は短期的には続くと予想されます。金融業界や政府機関などでは、すぐにシステムを刷新するのは難しいため、COBOLの保守需要は一定程度続くでしょう。

 

マイグレーションの進展

一方、COBOLからJavaやPythonなどのモダンな言語へのマイグレーションも進んでいます。COBOLエンジニアの高齢化により、技術者不足が進行しており、今後もCOBOLからの移行が進むと予想されます。ただし、レガシーシステムを完全に刷新するには多大な労力が必要なため、しばらくはCOBOLの保守業務も継続されるでしょう。

 

まとめ

COBOLは、金融業や行政機関を支えてきた信頼性の高いプログラミング言語です。短期的には保守需要が続く一方で、技術者不足と他言語への移行が進むことで、COBOLの新規案件はますます減少していくと考えられます。しかし、現状のレガシーシステムにおけるCOBOLの役割は非常に大きく、短期間での完全な移行は難しいのが実情です。COBOLを扱える技術者が減少する中、COBOLの知識を有する人材の価値は引き続き高まる可能性があるため、現役のエンジニアにとっては貴重なスキルとなり得ます。

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この記事を書いた人

釣見 駿

株式会社CLANE 取締役 / 学生時にマイナビニュースでメディア運営を行う。その後広告代理店で働きながら、2018年にCLANEの創業時にジョイン。WEBデザインや広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けします。

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