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自動テストとは?概要・メリット・ツールの選び方と導入の流れを徹底解説

公開日:2024年10月8日 更新日:2024年10月10日

ソフトウェア開発の現場では、リリース前に行う「テスト」が非常に重要です。しかし、プロジェクトが大規模になると、テストに要する工数が増え、エンジニアに大きな負担がかかることがあります。そこで注目されているのが「自動テスト」です。自動テストは、テストの一部をツールやスクリプトによって自動化し、手動で行うよりも効率的に進められる方法です。

本記事では、自動テストの基本的な仕組みやメリット・デメリット、そして具体的な導入方法について詳しく解説します。これから導入を検討している方や、自動テストの効果をさらに引き出したい方の参考になる内容です。

自動テストとは?概要と基本の仕組み

自動テストは、手動で行うテスト工程をソフトウェアツールを使って自動化するプロセスです。テストとは、システムやソフトウェアが正常に機能するかどうかを確認する作業であり、これを自動的に行うことで、効率化とコスト削減が可能となります。

手動テストでは、エンジニアが各機能を一つ一つ確認するため、時間と労力がかかりますが、自動テストを導入することで、繰り返し作業や進捗確認を自動化できます。これにより、エンジニアの時間を節約し、ソフトウェアの品質向上にもつながります。

 

自動テストのメリット

コスト削減と効率化の促進

自動テストにより、繰り返し行うテスト作業を効率化できるため、手動に比べて大幅なコスト削減が可能です。自動化によって時間と労力を節約でき、特に大規模なプロジェクトでは大きな成果を上げることができます。また、一度テストスクリプトを作成すれば、繰り返し実行できるため、同じテストを何度も手動で行う必要がありません。

 

品質向上と不具合の早期発見

テストを自動化することで、頻繁にテストを実行し、不具合を早期に発見することができます。例えば、毎回新しい機能を追加するたびに、自動テストを実行すれば、過去にリリースした機能に影響がないか確認できます。これにより、開発の初期段階で問題を解決し、プロジェクト全体の品質向上を図ることが可能です。

 

エンジニアの負担軽減

手動テストの煩雑な作業を減らすことで、エンジニアの作業負担が軽減されます。自動テストにより、エンジニアは本来の業務である新機能の開発や問題解決に集中できるため、開発全体のスピードと効率が向上します。

 

テストの高速化による開発スピードの向上

テストを自動化することで、手動よりも高速にテストを実行でき、開発全体のスピードを向上させることが可能です。特に、大規模プロジェクトでは毎回のテストに膨大な時間がかかるため、自動テストの導入によって迅速なフィードバックを得ることができます。これにより、リリースまでのスケジュールを短縮できる可能性があります。

 

自動テストのデメリットと注意点

初期コストとメンテナンスの課題

自動テストは導入時にツールの選定やテストスクリプト作成が必要で、初期コストが高くなる傾向にあります。また、一度導入して終わりではなく、システムやアプリケーションのアップデートに伴い、テストスクリプトの修正やメンテナンスが必要です。メンテナンスが滞ると、適切なテストが行われず、逆に品質が低下する可能性もあります。

 

全てを自動化できないテストの存在

すべてのテストを自動化できるわけではありません。特にユーザビリティテストや探索的テストは手動で行う必要があります。これらのテストは、ユーザーの感覚や直感を重要視するため、手動での確認が求められます。また、アドホックなテストや、一度しか実施しないテストは自動化には不向きです。自動化すべきテストと手動にすべきテストを明確に区分することが重要です。

 

自動テストに向いているテストと向いていないテスト

繰り返し実施するリグレッションテストに最適

リグレッションテストなどの、繰り返し実施されるテストは自動化に最も適しています。これにより、毎回の手作業を減らし、効率的にテストを進めることができます。リグレッションテストは、新しい機能追加やバグ修正後に、既存機能に不具合が生じていないかを確認するテストです。これを自動化することで、毎回の開発サイクルで迅速に確認作業が進みます。

 

自動化に向かないテストの例

探索的テストやユーザビリティテストは自動化には不向きです。これらのテストは、ユーザーの感覚や直感を必要とするため、機械的なテストでは限界があります。特に、UIやUXに関わる部分は、手動でユーザーの視点から確認する必要があります。開発プロセスの中では、これら手動テストと自動テストを組み合わせることが効果的です。

 

自動テストの導入の流れ

1. 目的設定と効果の明確化

まずは、自動テストを導入する目的を明確にします。コスト削減、開発スピード向上、不具合の早期発見など、具体的な効果を設定することが重要です。目的が曖昧なまま自動化を進めると、テストの有効性が損なわれ、結果的にリソースの浪費につながる可能性があります。

 

2. 自動テスト範囲の選定

次に、自動化するテストの範囲を決定します。特にリグレッションテストや性能テストなど、繰り返し実行されるテストを選定すると良いでしょう。テストの対象が明確であれば、自動化の効果が最大限に発揮され、開発のスムーズさが向上します。

 

3. ツール選定とテストコード作成

目的と範囲に応じて、適切な自動テストツールを選定します。例えば、ウェブアプリケーションのテストであればSelenium、CI/CDパイプラインに組み込む場合はJenkinsなど、用途に合わせたツール選びが重要です。選定後は、テストスクリプトの作成や環境設定を行い、実際のテスト導入を進めます。

 

主要な自動テストツールの紹介

Selenium

Seleniumは、主にWebアプリケーション向けの自動テストツールとして広く利用されています。主要なブラウザをサポートしており、クロスブラウザテストが可能です。開発者はテストシナリオを作成し、さまざまなブラウザや環境での動作確認を自動化できます。また、オープンソースであるため、初期コストを抑えつつ、自分たちの開発フローに合わせたカスタマイズが可能です。

Seleniumの特徴と導入のポイント

1. クロスブラウザテストが可能

2. 大規模プロジェクトでも利用される拡張性

3. オープンソースで自由にカスタマイズが可能

 

Jenkins

Jenkinsは、CI/CDパイプラインを構築する際に利用されるツールであり、継続的なテスト実行をサポートします。テストスクリプトを実行し、結果を自動的にフィードバックできるため、開発フロー全体の自動化に寄与します。Jenkinsは多くのプラグインを備えており、さまざまなツールと連携させて使用できます。

Jenkinsの特徴と導入のポイント

1. CI/CDパイプラインに最適な自動テスト

2. 多くのプラグインと連携可能

3. 大規模な開発チームに適した拡張性

 

まとめ

自動テストの導入は、開発現場において大きな効率化と品質向上をもたらします。しかし、導入には初期コストやスクリプト作成の手間がかかり、すべてのテストを自動化できるわけではありません。自動テストが有効な部分と手動で行うべき部分を見極め、適切にバランスを取ることが成功の鍵です。

この記事で紹介したメリットやツール、導入のステップを参考に、自動テストの導入を進めてみてください。特に大規模プロジェクトやリリース頻度が高いプロジェクトにおいて、自動テストは非常に有効な手段となります。

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この記事を書いた人

釣見 駿

株式会社CLANE 取締役 / 学生時にマイナビニュースでメディア運営を行う。その後広告代理店で働きながら、2018年にCLANEの創業時にジョイン。WEBデザインや広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けします。

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