Google翻訳をはじめとする機械翻訳ツールを利用して英語表現を取り入れる場合でも、日本語のニュアンスと微妙に異なることがあるため注意が必要です。
今回は、コーポレートサイトにおける英語の代替表現をいくつか紹介します。さらに、英語版コーポレートサイトの制作事例も併せて紹介します。
コーポレートサイトは、誰でもアクセス可能な企業の「名刺」の役割を果たすWebサイトです。英語圏では「corporate website」と表現されます。
例えば、
“I want to commission a corporate website production.”(コーポレートサイト制作を依頼したい)
のように使用します。
コーポレートサイトは一般的に、顧客、求職者、取引先など、幅広いユーザーが訪問するため、企業情報、商品・サービス、採用情報、IR情報など、会社の包括的な情報が掲載されます。
具体的なコンテンツは以下の通りです。
採用活動による人材確保、顧客とのコミュニケーション、企業イメージの浸透に役立つブランディングなど、様々な効果が期待できます。
本記事では、企業サイトのコンテンツに関する英語の代替表現をいくつか紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
出典:株式会社GIG
Company / Our company / About / About us / About 〇〇(会社名)/ Who we are など |
会社情報を英語で表現する際には、上記のようにさまざまな言い換え表現があります。
ただ「Company」としても伝わりますが、企業のイメージに合った表現を選びましょう。
会社情報のコンテンツは以下のように表現できます。
会社概要 | Outline / Overview / Corporate Data / Corporate overview / Corporate profile / Profile |
企業の歴史 | Our Story / Our History |
自社の強み | Why us / Why ○○ / Strength / Our Advantage / The feature / Advantage of ○○ |
アクセス | Access / Location / Directions |
「自社の強み」が複数ある場合は、「The features of ○○」と複数形にしたり、「The three features of ○○」と表現したりできます。
Message / Greeting / Greetings / CEO Message / Message from CEO など |
代表の挨拶は、上記のような英語で表現されます。
一般的に、「Greeting」よりも「Message」が使われることが多いです。
また、「Greetings」は、「Greeting」よりも少し砕けたニュアンスになります。
出典:住友ゴム工業株式会社
Corporate Philosophy / Our Philosophy など |
企業理念は、上記のような英語で表現されます。
具体的なコンテンツは以下のように表現できます。
企業の目標 | Our Vision |
企業の取り組み | Our Mission / Our Purpose |
企業の価値基準 | Our Values / Core Values / Our Credo / Our Principles |
VisionやMisson、Valueは使い分けが難しいです。
経営学者のピーター・ドラッカー氏によると、Vision、Mission、Valueの使い分けは以下のように定義されます。
出典:関西興業株式会社
Business / Service / Our Services / Our Business / Introduction To Our Services / About our Service / What we do / Projects など |
自社事業や商品の紹介は、上記のような英語で表現されます。
ニュアンスの違いとして、製品を売るものが「Business」、サービスを提供するものが「Service」になります。
具体的なコンテンツは以下の通りです。
実績・事例紹介 | Case Study / Success Story / Works / WorkProjects / Results / Cases |
製品情報 | Products / Goods / Our products / Inventory List |
価格 | Price / Fee / Charge |
見積もり | Request a quote / Estimation |
「Product」でも伝わりますが、企業が取り扱う製品は複数であることが一般的なため、少なくないため、複数形で表現する場合が多いです。
「Price」や「Charge」が一般的な価格を意味します。Feeは、授業料などに使われます。
出典:株式会社工房
Careers / Jobs / Recruit / Recruitment など |
採用情報は、上記のような英語で表現されます。
以下に具体的なコンテンツを示します。
社員・スタッフ紹介 | Our People / Our Team / Our Staff / Meet Our Team |
働き方 | Work at ○○ / Working here / Life at ○○ |
福利厚生 | Benefits / Competitive Benefits / Our Benefits |
募集中の職種 | Open Roles / Current open positions / Current Job opportunities |
募集要項 | Application information / Requirements |
業務内容 | Responsibilities |
1日の仕事例 | A day in the life of ○○ / A day in the life at ○○ / Hours of Duty |
応募資格 | Qualifications |
募集の流れ | How to apply / Application process |
Contact / Contact us / Inquiry / Get in touch など |
お問い合わせは、上記のような英語で表現されます。
「Contact」は、お問合せフォームを含む電話やメールなどのさまざまな連絡手段の総称を意味します。
一方、「Inquiry」は、「Contact」よりも具体的な意味合いが強く、ユーザーが特定の商品について問い合わせをしたい場合に使用されます。
日本のWebサイトでは「Contact」をよく目にしますが、英語圏では「Inquiry」と表現することが多いです。
出典:株式会社エスプールプラス
News / Topic / Information / News Release / What’s New / What’s New / New arrivals / News & Topics / Latest information など |
お知らせは、上記のような英語で表現されます。
「News」は、企業の新しい話題や出来事に使用され、「Topic」は、新しいものだけでなく、ユーザーに注目してほしい話題などを掲載するときに使われます。
また、注意事項などを知らせる場合は「Notice」を使うことが多いです。
FAQ / Q&A など |
よくある質問は、上記のように表現されます。
FAQは、Frequently Asked Questionsの略で「よく尋ねられる質問」という意味です。一方Q&Aは、Question and Answerの略で、「質問と回答」を意味します。
実際にユーザーから寄せられた質問か、想定される質問と回答を企業側があらかじめ用意するかの違いですが、どちらの表現を使っても意味の違いはありません。
以下に、英語版のコーポレートサイトをいくつか紹介します。
それぞれについて説明します。
「株式会社スペース」は、主に商業空間や専門店などの企画・デザインや施工を行う企業です。
日本語版トップページの「明日が、笑顔になる空間を。」というメッセージが、英語版では「For a Smiling Tomorrow.」と表現されています。
日本語版には「企業情報」、「業務内容」、「事例紹介」、「株主・投資家情報」、「サステナブル」、「採用情報」のページが設けられていますが、英語版では「Company Info」、「Our Business」、「Works」のページのみが設けられています。
英語圏のユーザーに合わせた情報提供が行われていると感じられます。
「イーソリューションズ株式会社」は、社会課題をビジネスで解決する事業プロデュースを通じて、社会に持続可能な価値を創造し、未来をデザインする企業です。
日本語版のファーストビューでは「もっとe未来へ。For a better future」というメッセージが特徴的です。
一方、英語版では「for a bright future」と表現されています。日本語版とは言葉は異なりますが、同じ意味を感じられます。
日本語版とは言葉は異なりますが、同じ意味を感じられます。
英語版には、「お知らせ」や「採用情報」、「社員紹介」などのページは設けられておらず、ユーザーの必要なコンテンツを提供している印象があります。
「株式会社オービックビジネスコンサルタント」は、会計ソフトをはじめ、給与や販売仕入管理など企業の基幹業務をサポートするパッケージソフトを開発しているメーカーです。
日本語版では「業務にイノベーションを、お客様に感動を」というメッセージが英語版で「Innovate business.Excite customers.」とわかりやすく表現されています。
英語版では「お知らせ」のページはなく、「IR情報」のみが表示されます。
「三陽商事株式会社」は、動力伝達および制御機器を設計、製造並びに販売する企業です。
英語版のトップページは、日本語版とは異なり、コーポレートカラーを全面に押し出したインパクトあるデザインになっています。また、製造業であることが一目でわかる画像が使われています。
さらに、日本語版よりも各コンテンツの大きさが大きく、見やすくなっています。
企業情報はあるものの、企業理念や代表の挨拶などのコンテンツはないため、同社の製品に注目してもらいたいという印象を受けます。
「関西ペイント株式会社」は、総合塗料の製造販売を行う企業です。
日本語版と英語版では、ファーストビューで流れる動画が異なります。
英語版では塗料の映像も流れており、すぐに同社が塗料関係の企業だと分かるようになっています。
また、日本語版では「お知らせ」と「IR情報」がトップページのすぐ下に来ているのに対して、英語版では、「Topic」がすぐ下に来ています。
紹介している同社の製品も、特定のものに限定されています。
ユーザーのニーズに合わせたコンテンツの配置を意識していると感じられます。
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