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英語版コーポレートサイトの作り方|ページ構成・費用・多言語対応の手順を解説

公開日:2026年7月8日 更新日:2026年7月8日
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清水悠也

株式会社CLANE 執行役員。eラーニング・人材育成領域で10年以上の経験を持ち、法人向けオンライン学習プラットフォーム「Learnify」の事業戦略・コンテンツ設計を統括。DXによる業務効率化やAIを活用したデジタルマーケティングにも精通し、企業の人材開発からナレッジマネジメントまで一貫した支援を行う。また、起業支援サービス「起業の窓口」のアドバイザーとしても活動しており、経営・事業立ち上げの実践知見を活かした情報発信を続けている。

海外との取引拡大やグローバル採用、IR情報の充実を背景に、英語版コーポレートサイトの整備を検討する企業が増えています。一方で、「何から手をつければいいか分からない」「日本語サイトをそのまま翻訳すれば済むのか」といった疑問を持つ担当者は少なくありません。英語版サイトは単なる翻訳物ではなく、海外の取引先・投資家・求職者に向けた独立したコミュニケーション手段として設計する必要があります。

本記事では、英語版コーポレートサイトを構築するうえで押さえておくべきページ構成の考え方、費用の目安、多言語対応の技術的な手順、そして社内稟議を進めるうえで整理しておきたいポイントを順に解説します。制作会社への発注を検討している担当者が、社内調整や要件定義の前段階として活用できる内容を目指しています。

英語版コーポレートサイトが求められる背景 — なぜ今、多言語対応が経営課題になるのか

グローバルな事業環境の変化を受け、英語版コーポレートサイトの整備は「あれば望ましい」から「なければ機会を失う」局面へと移行しつつあります。海外からの調達先開拓、グローバル採用、インバウンド商談、ESG・IR情報の開示要請など、英語による情報発信が必要になる場面は年々増えています。それにもかかわらず、日本語サイトのみで運営を続けている企業は少なくありません。

海外からのアクセスが増えても、日本語サイトのみでは商談に繋がらない

海外の取引先候補やパートナー企業が日本企業を検討する際、まず行うのが公式サイトの確認です。そこで日本語のみのコーポレートサイトに辿り着いた場合、企業概要・事業内容・実績といった基本情報を取得できないまま、検討から外されるケースが起きています。

具体的には、次のような場面で機会損失が生じやすい状況です。

  • 海外調達・サプライチェーン対応:グローバル企業が取引先を選定する際、英語の会社概要・品質方針・認証情報の有無を確認要件とするケースが増えています。
  • グローバル採用:外国籍人材や海外大学出身者が応募を検討する際、英語版の採用情報・企業文化ページがないと候補から外れやすくなります。
  • インバウンド商談:展示会や海外カンファレンスで名刺交換した相手が事後にサイトを確認した際、英語情報がなければ信頼性の判断ができません。
  • ESG・IR開示:海外機関投資家やサステナビリティ評価機関は、英語での情報開示を前提に評価を行います。日本語のみでは評価対象外になる場合があります。

多言語対応を「翻訳作業」として捉えると、優先順位が下がりがちです。しかし実態としては、英語版コーポレートサイトの有無が、商談の入口・採用競争力・投資家評価に直結する経営上の判断事項になっています。

本記事で解説すること — 構成・費用・手順・SEOを網羅

本記事では、英語版コーポレートサイトの構築を検討している企業の意思決定者に向けて、以下の内容を順を追って解説します。

  • 英語版サイトに必要なページ構成と、掲載すべき情報の優先順位
  • 翻訳サイト・サブドメイン・別ドメインという多言語対応の3方式の違いと選び方
  • 発注から公開までの制作手順と社内で準備すべきこと
  • 規模・方式別の制作費用の相場感
  • 日本語サイトと異なる英語SEOの設計上の注意点
  • 制作会社への発注で失敗しないためのチェックポイント

「何から手をつければよいかわからない」という段階から、発注・公開・運用の判断ができる状態を目指して整理しています。

英語版コーポレートサイトに必要なページ構成 — 掲載すべき6つのセクション

英語版コーポレートサイトを構築する際、日本語サイトと同じページ構成をそのまま踏襲するのは避けたほうが無難です。海外の閲覧者が期待する情報の種類と優先順位は、国内向けとは異なるためです。ここでは、海外バイヤー・パートナー・求職者・投資家といった多様なステークホルダーに対応するために必要な6つのセクションと、各ページで押さえるべき情報の粒度を整理します。

Company(会社概要) — 日本企業としての信頼性を示す情報設計

海外の取引先候補がまず確認するのは、「この会社は信頼できるか」という一点です。日本語サイトでは当然の前提として省略されがちな情報も、英語サイトでは明示する必要があります。

具体的には、以下の情報を必ず掲載してください。

  • 設立年(Founded in XXXX)
  • 資本金・従業員数
  • グループ会社・親会社との関係性
  • 上場有無(上場企業の場合は証券コードと市場名)
  • 本社所在地と連絡先(物理的な住所が信頼の根拠になります)
  • 主要取引先・認証・受賞歴(Third-party validationとして機能します)

特にグループ体制の明示は重要です。親会社が大手企業であれば、それ自体が与信判断の材料になります。日本では「見ればわかる」とされる情報も、英語圏の閲覧者には能動的に提示する設計が求められます。

Business / Services(事業・サービス) — 海外バイヤーが知りたい粒度とは

事業紹介ページでよく見られる失敗は、「何をしている会社か」は伝わっても「自分の課題を解決できるか」が伝わらない構成です。海外バイヤーは、自社の文脈と照合しながら情報を読みます。

事業・サービスページでは、次の粒度を意識してください。

  • 対象業界・顧客ターゲットの明記
  • 導入企業の規模感・地域(実績として示せる範囲で)
  • 他社との差別化ポイントを、機能ではなく価値ベースで記述する
  • 製品・サービスのスペック情報(PDFダウンロードや問い合わせへの導線と併用)

日本語サイトでは定性的な表現に終始することが多いですが、英語サイトでは数値・事例・具体的なユースケースが信頼の根拠になります。

News / Press Release — 最終更新日が信頼に直結する理由

ニュースページは、サイトが「生きているか」を示すバロメーターです。海外の閲覧者は更新頻度を見て、企業の活動状況を判断する傾向があります。最終更新が数年前のサイトは、事業継続性への疑念につながることも少なくありません。

最低でも四半期に1本程度の英語リリースを維持することが望ましいです。日本語サイトの全記事を翻訳する必要はありませんが、海外ステークホルダーに関連する情報(新製品・パートナーシップ・受賞・財務情報など)は英語でも発信する運用体制を整えてください。

Careers(採用) — グローバル採用を目指すなら必須のページ

海外人材の採用や、外国籍社員の増加を想定している企業にとって、採用ページの英語化は優先度が高いセクションです。求職者が知りたいのは、職種・給与レンジだけではありません。

英語の採用ページには以下を含めることが効果的です。

  • 企業文化・バリューの言語化
  • 外国籍社員の受け入れ実績や多様性への取り組み
  • 英語での選考プロセスの有無
  • ビザサポートの可否

採用ページが日本語のみの場合、優秀な海外人材にとっては実質的なエントリーバリアになります。

Contact(お問い合わせ) — 言語・タイムゾーンへの配慮がCVRを左右する

問い合わせページの設計は、海外からのコンバージョン率(CVR)に直接影響します。フォームの文言が日本語のままであったり、営業時間の表記がJST(日本標準時)のみであったりするケースは、海外の問い合わせ者にとって不安要素になります。

最低限、以下の点を確認してください。

  • フォームのラベル・エラーメッセージが英語で表示されること
  • 対応可能な言語と対応時間をUTC表記などで明示すること
  • 返信までの目安日数を記載すること(例:We will respond within 2 business days.)
  • 国際電話対応の有無と番号形式(国番号付き)

問い合わせのハードルを下げるためのUX設計が、最終的なビジネス機会の獲得につながります。英語版コーポレートサイトの制作においては、この6つのセクションを基本軸として、自社のターゲット市場と優先課題に応じてページ構成を調整していくことが出発点になります。

多言語対応の3つの方式 — 翻訳サイト・サブドメイン・別ドメインの違いと選び方

英語版コーポレートサイトを構築する際、まず決めなければならないのが「どの方式で運用するか」です。大きく分けると、①自動翻訳プラグインによる機械翻訳、②同一ドメイン内でのサブディレクトリ/サブドメイン運用、③完全別ドメイン運用の3パターンがあります。それぞれSEO評価・保守コスト・コンテンツ品質の面で特性が異なるため、自社の目的と体制に合わせて選ぶことが重要です。

自動翻訳プラグインだけで済ませてはいけない理由

WordPressなどのCMSに翻訳プラグインを導入し、日本語ページを自動で英語化する方法は、初期コストが低く手軽に見えます。しかし、BtoBの意思決定者が読む文章としては品質面での課題が残りやすいです。

機械翻訳は製品名・業界用語・敬称の扱いを誤ることが多く、取引先や投資家に不誠実な印象を与えるリスクがあります。また、Googleは自動翻訳コンテンツを低品質と判定するケースがあり、英語圏でのSEO評価を損ないます。「まず公開してから品質を上げる」という運用を想定していても、低品質なページが検索インデックスに蓄積されると後の修正コストが膨らむ点にも注意が必要です。

サブディレクトリ方式(example.com/en/)が選ばれるケースと注意点

同一ドメイン内に「/en/」などのサブディレクトリを設けて英語ページを配置する方式は、日本語サイトが既に一定のドメインパワーを持っている場合に有利です。日本語版で積み上げたSEO評価を英語版にも波及させやすく、サーバー・CMSを共通化できるため保守コストも抑えられます。

ただし、日本語版と英語版でデザインや導線を分けたい場合は、CMS側の設計が複雑になります。また、コンテンツを個別に管理する体制が整っていないと、日本語ページの更新が英語ページに自動反映されず、情報が乖離するリスクがあります。

別ドメイン・サブドメイン方式が適するケース

海外事業を独立したブランドとして展開したい場合や、英語圏特有のターゲット層に向けて訴求内容を大きく変えたい場合は、別ドメイン(例:example-global.com)やサブドメイン(例:en.example.com)での運用が適しています。

特に、グローバル採用やIR向けに英語サイトを独立させたいケースでは、別ドメイン運用により日本語サイトとの混在を避けられます。一方で、SEO評価はゼロから積み上げる必要があり、ドメイン取得・サーバー・CMSの管理コストも別途発生します。

方式別の比較表 — SEO・費用・保守コストで整理

方式 SEO評価の引き継ぎ 初期費用 保守コスト コンテンツ品質 向いているケース
自動翻訳プラグイン △(低品質判定リスクあり) 低(誤訳・不自然な表現が残りやすい) 社内確認用・プロトタイプ段階
サブディレクトリ/サブドメイン ○(日本語版の評価を活用しやすい) 高(人手による翻訳・編集が前提) 既存サイトを活かしながら英語版を追加したい場合
完全別ドメイン ×(ゼロから積み上げが必要) 高(独立した編集体制を構築しやすい) 海外ブランドを独立展開・IRサイトを分離したい場合

意思決定の判断軸としては、「英語版に独自の訴求内容を持たせるか否か」と「保守を担う社内リソースの有無」の2点が中心になります。日本語版と同じ内容を英語化するだけであればサブディレクトリ方式が現実的で、英語圏向けに内容を大きく変える場合や独立ブランドとして育てる場合は別ドメインの検討に値します。自動翻訳のみの運用は、対外発信を目的とした本番サイトでは推奨されません。

英語版コーポレートサイトの制作手順 — 発注から公開までの流れ

英語版コーポレートサイトの制作は、単なる「日本語サイトの翻訳作業」ではありません。目的の定義からコンテンツ整理、翻訳・開発・SEO設定・運用体制の構築まで、発注側が判断すべき工程が複数あります。各ステップで社内の意思決定が必要になるため、全体の流れを事前に把握しておくことが、スムーズな制作進行につながります。

Step1|目的とターゲット市場を定義する — 翻訳前に決めるべきこと

最初に確認すべきは「誰に、何のために見せるサイトか」です。海外バイヤーへの信頼醸成なのか、グローバル採用なのか、IR目的なのかによって、掲載コンテンツの優先順位もトーンも変わります。

要件定義で発注ミスを防ぐ英語サイト発注の成否は上流工程で決まります。曖昧な要望を開発可能な仕様に翻訳する専門支援を活用し、手戻りのない制作を実現できます。要件定義の詳細

ターゲット市場も具体化が必要です。「英語圏全般」ではなく、北米・東南アジア・欧州など地域を絞ることで、ローカライズの方針が定まります。この定義が曖昧なまま制作を進めると、翻訳やデザインの方向性がブレ、後工程での手戻りが増えます。

  • サイトの目的(商談獲得・採用・IR・ブランディングなど)を一つに絞るか優先順位をつける
  • ターゲット市場・地域を具体的に定める
  • ターゲット読者のペルソナ(職種・役職・課題感)を想定する

Step2|日本語コンテンツの棚卸しと英語化優先順位の決定

既存の日本語サイトのページをすべて英語化する必要はありません。まずは現行コンテンツを洗い出し、英語サイトに掲載すべきページと不要なページを仕分けます。

優先度が高いのは、会社概要・事業内容・サービス・製品・採用・お問い合わせといった「意思決定に直結するページ」です。ブログ記事やプレスリリースは、英語対応の運用リソースと相談しながら範囲を決めるのが現実的です。

  • 現行サイトのページ一覧を作成し、英語化の対象・対象外を分類する
  • 英語化するページについて、原稿が最新かどうか確認する(古い情報は更新してから翻訳に渡す)
  • 新規で英語版専用コンテンツが必要かどうかも検討する

Step3|翻訳とローカライズ — 機械翻訳・人力翻訳・ネイティブチェックの使い分け

翻訳の品質は、サイトの信頼感に直結します。DeepLなどの機械翻訳は下訳として活用できますが、企業の公式サイトに使用する場合はネイティブチェックが不可欠です。

とくにキャッチコピー・会社概要・サービス説明など「ブランドの言葉」に相当するページは、翻訳者と別にネイティブ校正者を立てる二段階の体制が望ましいです。一方、FAQや仕様説明など情報量が多い補足ページは、機械翻訳+人力チェックで対応するケースも少なくありません。

また、翻訳と並行して「ローカライズ」の視点も必要です。日本語で当たり前に使っている表現や単位、敬語的なニュアンスが、英語読者には伝わりにくいケースがあります。文化的背景の違いを踏まえた表現への置き換えも、制作会社と事前に合意しておく必要があります。

Step4|設計・開発 — CMSの選定とWordPressでの多言語構成

英語版サイトをどのCMSで構築するかは、運用のしやすさに直結します。新規構築・既存サイトとの統合どちらにも対応しやすいWordPressは、多言語サイトにおいても選択肢として多く採用されています。

WordPressで多言語対応を行う場合、WPML(WP Multilingual Plugin)やPolylangといったプラグインを使い、言語ごとにコンテンツを管理する構成が一般的です。日本語サイトと英語サイトを同一のWordPress環境で管理できるため、更新の手間を抑えやすいというメリットがあります。

CMSの選定時には「担当者が更新できるか」を必ず確認してください。開発会社しか更新できない構成になると、運用コストが高止まりします。

Step5|英語サイト公開後のSEO設定(hreflangタグ・サイトマップ)

英語サイトを公開する際、検索エンジンに言語・地域を正しく認識させるための技術設定が必要です。代表的なものがhreflangタグです。

hreflangとは、同じ内容を複数言語で提供している場合に、それぞれのページが「どの言語・地域向けか」をGoogleに伝えるHTMLのタグです。この設定が抜けていると、日本語ページと英語ページが重複コンテンツと判断され、検索順位に悪影響が出るケースがあります。

  • 全対象ページにhreflangタグを設置する(日英両方のページに相互参照が必要)
  • 英語版のXMLサイトマップを作成し、Google Search Consoleに登録する
  • metaタグ(title・description)を英語で個別に設定する

これらの設定は制作会社が対応するケースが多いですが、発注時に「SEO設定込みか」を明示的に確認しておく必要があります。

Step6|運用体制の整備 — 更新頻度と担当者アサインの現実解

英語サイトは公開後の運用設計が重要です。日本語サイトと同時に更新できる体制が理想ですが、人員リソースの制約から「主要ページのみ英語化・ニュースや採用情報は日本語のみ」という判断をしている企業も少なくありません。

運用体制を整える際に確認すべき点は以下のとおりです。

  • 英語コンテンツの更新担当者は誰か(社内の英語対応者、または外部リソースへの依頼フロー)
  • 日本語サイトの更新と英語サイトの更新を連動させるルールを決めているか
  • CMS上で担当者自身が更新できる権限・操作画面になっているか

公開後に放置されたままの英語サイトは、むしろ信頼を損なうリスクがあります。制作段階から「無理なく継続できる運用フロー」を設計しておくことが、英語版コーポレートサイトを資産として機能させる前提条件になります。

英語版コーポレートサイトの制作費用 — 規模・方式別の相場感

英語版コーポレートサイトの制作費用は、対応範囲と規模によって大きく異なります。「翻訳だけお願いしたい」という依頼と「デザインから作り直したい」という依頼では、費用感がまったく変わるため、まず自社の状況を整理してから見積もりを取ることが重要です。

費用を左右する3つの要素 — 翻訳品質・ページ数・CMS構成

制作費用に最も影響を与える要素は、以下の3点です。

  • 翻訳品質:機械翻訳(DeepLなど)をベースにした簡易対応か、ネイティブライターによる意訳・リライトを伴う対応かで、翻訳費用だけで数十万円の差が出ます。BtoB企業のコーポレートサイトは信頼性が重視されるため、海外拠点やビジネスパートナーへ見せることを前提にする場合は、ネイティブチェックを含めた品質を確保するのが一般的です。
  • ページ数:翻訳・実装のコストはページ数に比例します。会社概要・事業内容・採用・ニュースなど主要10〜20ページ程度であれば費用を抑えやすい一方、製品ページや事例ページが多い場合は工数が膨らみます。
  • CMS構成:既存の日本語サイトがWordPressなどのCMSで構築されている場合、多言語プラグインを使って実装コストを抑えられるケースがあります。一方、独自システムや静的HTMLで構築されているサイトでは、多言語対応のために構造ごと改修が必要になることもあります。

規模別の費用目安(翻訳のみ/リデザインあり/フルスクラッチ)

対応方式ごとの費用目安は以下の通りです。

  • 翻訳+実装のみ(既存デザインを流用):50〜150万円程度。既存の日本語サイトのデザイン・構成をそのまま使い、テキストを英語に置き換える対応です。CMSで多言語化が容易な構成であれば、費用を抑えやすい選択肢です。
  • リデザインあり(英語圏向けにUI・構成を調整):150〜300万円程度。英語圏のユーザー行動に合わせてページ構成やナビゲーションを見直し、デザインも一部変更する対応です。グローバル展開を本格的に進める企業では、このレンジでの発注が多くなります。
  • フルスクラッチ(英語版を独立して新規構築):300万円〜。英語版を別サイトとして設計・構築するケースです。ブランド戦略や海外向けのSEO設計を組み込む場合、この方式が選ばれます。

見積もり依頼前に社内で準備すべき情報リスト

複数の制作会社に見積もりを依頼する前に、以下の情報を社内で整理しておくと、比較精度が高まります。

  • 英語化するページの一覧と優先順位
  • 現在のサイトのCMS・技術構成(WordPressかどうか、など)
  • 翻訳の品質要件(機械翻訳ベースでよいか、ネイティブチェックが必要か)
  • デザインの変更範囲(流用可か、英語圏向けに調整が必要か)
  • 公開後の更新運用体制(誰が英語コンテンツを更新するか)

見積もりを比較する際は、金額だけでなく「翻訳の対応範囲」「CMSへの実装工数」「ネイティブチェックの有無」が項目として明示されているかを確認してください。これらが曖昧なまま発注すると、後から追加費用が発生しやすくなります。

英語コーポレートサイトのSEO — 日本語サイトと異なる設計上の注意点

英語版サイトを公開しても、検索エンジンに正しく認識されなければ海外ユーザーへの露出は限られます。日本語サイトと同じ感覚で設計すると、重複コンテンツの評価下落やキーワードの的外れといった問題が起きやすいです。英語コーポレートサイト固有のSEO上の注意点を、実装レベルで整理します。

hreflangの設定ミスが二重インデックスを招くケース

日本語サイトと英語サイトを併存させる場合、hreflangタグの設定が必須です。このタグは「このページの対応言語版はどこにあるか」をGoogleに伝えるもので、設定を誤ると日英両ページが別々のページとして重複インデックスされ、評価が分散します。

よくある実装ミスのパターンは以下のとおりです。

  • 片方向にしか設定しない:日本語ページから英語ページへhreflangを記述していても、英語ページ側から日本語ページへの参照が抜けているケース。hreflangは必ず双方向で設定する必要があります。
  • x-defaultの未設定:言語設定が不明なユーザー向けのデフォルトURLを指定するhreflang="x-default"が抜けていると、どのページを優先表示すべきかGoogleが判断できません。
  • URLの不統一:hreflang内で指定するURLと、実際にサイトが使用するURL(wwwあり・なし、末尾スラッシュの有無など)が一致しない場合、タグが無効と判定されます。

設定後はGoogle Search Consoleの「国際ターゲット」レポートでエラーを確認することが、実装品質を担保する基本的な手順です。

英語キーワード設計 — 和製英語・直訳表現が検索に引っかからない理由

日本企業が英語サイトのキーワードを設計する際に陥りやすいのが、和製英語や直訳表現をそのまま使うミスです。たとえば「monozukuri(ものづくり)」「one-stop solution」「high quality products」は、英語圏の検索ユーザーがほとんど使わない表現です。

英語圏の購買担当者や調達責任者が実際に検索する表現を調べるには、GoogleキーワードプランナーをUIの言語設定を英語・地域を米国や英国に切り替えて使うのが有効です。「manufacturing partner」「industrial components supplier」「B2B OEM manufacturer」など、業界内で実際に流通している語を起点にキーワードを設計します。

E-E-A-Tの観点から英語サイトに必要な信頼性設計

GoogleはE-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)の観点でページの信頼性を評価します。英語サイトでは、日本語サイト以上にこの信頼性設計が重要です。海外ユーザーにとって日本企業は情報が少なく、実態が見えにくいためです。

具体的に整備すべき要素は次のとおりです。

  • 会社概要ページの充実:設立年・従業員数・拠点・主要取引先・認証取得状況(ISO等)を英語で明記します。
  • 担当者・著者情報の明示:ブログやプレスリリースを発信する場合、著名人でなくても担当者名・役職・略歴を掲載することでE-E-A-Tが向上します。
  • 物理的な所在情報:住所・電話番号・問い合わせフォームを英語で整備し、実在する企業であることを示します。

これらは技術的なSEO施策ではなく、コンテンツと情報設計の問題です。英語版サイトの構築段階から意識して盛り込むことで、公開後の信頼性評価を高めることができます。

制作会社への発注で失敗しないために — チェックポイントと社内体制の整え方

英語版コーポレートサイトの制作は、発注さえすれば完成するわけではありません。発注側の準備不足や制作会社との認識ズレが、公開後のトラブルや運用停滞につながるケースは少なくありません。ここでは、よくある失敗パターンと、発注前に整えておくべき社内体制を整理します。

よくある失敗パターン3選 — 翻訳・設計・運用それぞれの落とし穴

英語版サイトの発注で起きやすい失敗は、大きく3つの領域に分かれます。

  • 翻訳品質の丸投げ:日本語原稿を翻訳会社に渡してそのまま掲載するケースでは、英語として自然な表現になっていないことがあります。特に事業説明やバリュープロポジションは、直訳すると意図が伝わらないことが多く、ネイティブによる表現の書き直し(リライト)まで含めた工程が必要です。
  • 運用を想定しない設計:公開後に製品情報やニュースを更新する想定がないまま設計されると、CMSの構造が日本語サイトと連動しておらず、更新のたびに都度発注が必要になります。更新頻度と担当者の権限設計は、制作フェーズで決めておく必要があります。
  • 国内制作会社と翻訳会社の連携不足:制作と翻訳を別々に発注した場合、テキストの文字数やレイアウトの調整が後手に回ることがあります。英語は日本語より文字数が増えやすく、デザイン崩れが起きやすいため、制作側が翻訳後の文字量を考慮した設計をしているかどうかが重要です。CLANEでは、翻訳・コピーライティングと実装を一体で進めることで、こうした連携ミスを防ぐ進め方を取っています。

制作会社選定で確認すべき5つのポイント

英語版コーポレートサイトの制作会社を選ぶ際は、以下の5点を確認することをお勧めします。

  1. 英語サイトの制作実績があるか:国内向けサイトの制作実績とは別に、英語圏の閲覧者を対象とした制作経験があるかを確認します。
  2. 翻訳・ライティングを内製またはパートナーとして持っているか:外注丸投げではなく、品質管理のルートが明確かどうかを問います。
  3. hreflangなど多言語SEOへの対応知識があるか:技術的な実装を正しく行えるかは、公開後の検索流入に直結します。
  4. CMSの運用体制まで提案できるか:公開後に自社で更新できる設計になっているかを確認します。
  5. 日本語サイトとの整合性を保つ設計ができるか:情報の非対称が起きないよう、日本語版との更新連動を想定した構成を提案できるかを見ます。

社内の承認フロー・更新担当を先に決めておくべき理由

制作会社が決まっても、社内の意思決定フローが曖昧なままでは、制作が進みません。英語版サイトは、内容の承認に法務・広報・経営層が関わるケースが多く、確認ルートが増えるほど制作スケジュールが後倒しになりやすい傾向があります。

発注前に決めておくべき項目は次のとおりです。

  • 英語コンテンツの最終承認者は誰か
  • 公開後の更新作業を誰が担当するか
  • 翻訳原稿のレビューを社内で行うか、外部ネイティブに依頼するか

これらを制作開始前に決めておくことで、制作会社とのやり取りがスムーズになり、公開後の運用も滞りにくくなります。英語版コーポレートサイトの作り方として、制作手順と同じくらい社内体制の整備が成否を左右します。

まとめ — 英語版コーポレートサイト構築を成功させる判断軸

英語版コーポレートサイトの作り方を整理すると、成否を分けるのは技術選定よりも「判断の順序」です。目的があいまいなまま制作に入ると、構成・翻訳・SEOのすべてで手戻りが発生します。以下のチェックリストで、自社の進捗と抜け漏れを確認してください。

  • 目的の定義:海外取引先への信頼醸成なのか、グローバル採用なのか、IRなのかを先に絞る。目的によって優先すべきページ構成とメッセージの方向性が変わります。
  • 構成設計:About Us・Products/Services・News・Careers・Contactの6セクションを軸に、目的に合わせて取捨選択します。日本語サイトのページ構成をそのまま流用しないことが重要です。
  • 多言語対応の方式:サブディレクトリ(/en/)・サブドメイン(en.example.com)・別ドメインの3方式は、SEO評価の引き継ぎやすさと運用コストで選びます。多くのケースではサブディレクトリが現実的な選択肢になります。
  • 翻訳品質:機械翻訳のみでの公開は、海外の取引先・採用候補者への印象を損なうリスクがあります。ネイティブチェックをプロセスに組み込むことを前提に予算を設計してください。
  • 英語SEOの設計:hreflangタグの設定・英語キーワードによるメタ情報の最適化・ページ速度の確保は、日本語サイトとは別軸で設計が必要です。
  • 運用体制:公開後の更新担当者・承認フロー・翻訳依頼のルールを社内で決めておかないと、日本語サイトとの情報格差が広がります。

コーポレートサイトの英語化は、一度公開して終わりではありません。情報が古くなるほど海外ステークホルダーからの信頼を損ないます。制作と並行して、継続的に更新できる体制をあらかじめ設計しておくことが、長期的な運用コストを下げる最も確実な方法です。

多言語対応を組織的に運用する
英語版サイトの構築後、継続的な更新・運用をAI導入で効率化。社内のデジタル化とグローバル発信力を同時に強化する戦略をご相談ください。
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