会社紹介の英語表現と書き方|About Us の構成・例文・和製英語ミスを解説
海外との取引拡大やグローバル採用を見据えて、英語版のWebサイトや会社案内資料を整備する企業が増えています。しかし「日本語の会社紹介をそのまま英訳すれば十分」と考えると、伝わらないだけでなく、場合によっては誤解を招く表現になってしまうケースが少なくありません。英語圏のビジネス慣行では、会社紹介に求められる構成や言葉のニュアンスが日本語とは異なるためです。
特に注意が必要なのが、日本語的な発想から生まれた和製英語や、直訳による不自然な表現です。担当者が英語に自信を持てないまま制作を進めると、海外の取引先や採用候補者に対して意図しない印象を与えてしまうことがあります。
本記事では、会社紹介(About Us)を英語で書く際の基本構成、よく使われる正しい表現と例文、そして日本企業が陥りやすい和製英語・誤訳のパターンを整理して解説します。英語表現の正確さや構成の妥当性に不安を感じている方が、社内確認や外部への発注判断に活用できる内容を目指しています。
英語版コーポレートサイト全体の構成や費用感については、こちらの記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい英語版コーポレートサイトの作り方|ページ構成・費用・多言語対応の手順を解説海外向け会社紹介に求められること——日本語とは異なる「伝え方の設計」
日本語で書かれた会社紹介を英語に翻訳しただけでは、海外の読者には伝わらないケースが少なくありません。言葉を置き換えることと、意図を正確に届けることは、まったく別の作業です。
日本語の会社紹介は、沿革・理念・組織体制といった「自社の歴史や姿勢」を丁寧に積み上げる構成が一般的です。しかし英語圏のビジネス文化では、読み手は最初の数秒で「この会社は何者か」「自分たちの課題を解決できるか」を判断しようとします。背景説明が長く続く文章は、その段階で読み飛ばされてしまうリスクがあります。
英語の会社紹介、とりわけWebサイト上の About Us ページで求められるのは、次の3点を端的に示す構成です。
- 何者か(Who we are):事業領域・専門性・対象とする顧客
- 何ができるか(What we do):提供するサービスや価値の具体的な説明
- なぜ選ぶべきか(Why us):競合との差別化要因・実績・信頼の根拠
この順序と明快さが、英語圏の読み手にとっての「わかりやすさ」の基準になっています。日本語の会社紹介をそのまま英訳すると、この構成が崩れることが多く、結果として「丁寧だが何を言いたいかわからない」文章になってしまいます。
本記事では、会社紹介を英語で表現する際に押さえておくべき点を順に整理します。まず「会社紹介」に使われる英語表現(About Us・Company Profile・Corporate Overview)の使い分けを確認し、次に About Us ページの基本構成と例文をセクション別に示します。あわせて、日本企業が陥りやすい和製英語や直訳ミスも取り上げます。さらに、WebサイトとPDF資料、メール署名、LinkedInといった媒体ごとの書き方の違いについても解説します。
「会社紹介」を英語でどう表現するか——About Us・Company Profile・Corporate Overview の違い
「会社紹介」を英語にする際、まず直面するのが「どの表現を選ぶか」という問題です。About Us・Company Profile・Corporate Overview はいずれも会社紹介を指しますが、使われる媒体や文脈が異なります。表現を間違えると、読み手に「この会社は英語に慣れていない」という印象を与えかねません。それぞれの使い分けを整理しておくことが、英語化の第一歩です。
About Us——Webサイトで最も使われる表現
Webサイトのナビゲーションメニューやページ名として、最も広く使われているのが「About Us」です。BtoB・BtoC を問わず、英語圏の企業サイトでは事実上の標準表現として定着しています。
「私たちについて」という意味合いで、企業の理念・ミッション・沿革・チームなどをまとめて掲載するページに使います。読み手はここで「この会社が何者か」を直感的に理解しようとするため、情報の流れと読みやすさが特に重要になります。
Company Profile——紙・PDF資料に適した表現
「Company Profile」は、PDF形式の会社案内や紙の資料に使われることが多い表現です。設立年・資本金・従業員数・事業内容といった基本情報を一覧形式でまとめた資料の表題として適しています。
展示会や商談の場で配布する資料、メールに添付して送る会社案内など、対面・非対面の営業シーンで幅広く使われます。ただし、Webページのタイトルとして使うケースは少なく、媒体との相性を意識する必要があります。
Corporate Overview——IR・投資家向けの文脈で使う表現
「Corporate Overview」は、上場企業や大企業が投資家・アナリスト向けに発信する資料で使われることが多い表現です。IR(Investor Relations:投資家向け広報)資料や、年次報告書(Annual Report)の冒頭セクションに使われる傾向があります。
フォーマルで格調のある表現であるため、スタートアップや中小企業のWebサイトで使うと、やや硬い印象を与えることがあります。発信先と文脈に合わせて選ぶことが重要です。
Who We Are・Our Story など——ブランドトーンを出したい場合の選択肢
ブランドの個性や創業ストーリーを前面に出したい場合、「Who We Are」や「Our Story」といった表現が選ばれることがあります。スタートアップやD2Cブランドで多く見られ、会社の人格や価値観を伝えることを重視した文脈で機能します。
BtoB企業でも、採用ブランディングや海外展開における差別化を意識する場面では有効な選択肢です。ただし、製造業や専門サービス業など、信頼性・実績を重視する業種では、「About Us」のほうが読み手に安心感を与えやすいケースが多いです。
以下に、各表現の使用場面と特性をまとめます。
- About Us:Webサイトのページ名として最も汎用的。BtoB・BtoC 問わず使える標準表現
- Company Profile:PDF・紙の会社案内の表題に適する。基本情報の一覧形式と相性がよい
- Corporate Overview:IR資料・大企業向けのフォーマルな文脈で使う。中小企業には硬すぎる場合がある
- Who We Are / Our Story:ブランドトーンを打ち出したい場合の選択肢。スタートアップや採用文脈で有効
まず媒体と読み手を確認し、そのうえで表現を選ぶという順序が、適切な英語化につながります。
About Us ページの基本構成——英語圏で「伝わる」情報の並べ方
英語資料の品質を高めるAI活用英語表現の精度確認から構成設計まで、生成AIで社内確認プロセスを効率化。多言語対応の実務支援も。詳しく見る英語の About Us ページで効果的とされる情報の順序は、日本語の会社紹介とは大きく異なります。日本語では「会社概要(設立年・資本金・所在地など)」から始めることが多いですが、英語圏では「なぜその会社が存在するのか」という意義・価値から入るのが基本的な構成です。読み手に「この会社は自分たちに関係がある」と感じさせてから、具体的な情報へと誘導する流れを意識してください。
① Mission・Vision——最初に「なぜ存在するか」を示す
最初のセクションには、Mission(使命)と Vision(目指す状態)を置きます。これは読み手に「この会社が何のために動いているか」を示す役割を果たします。
ミッション・ビジョン・バリューの英語表現の使い分けについては、こちらの記事で実例とともに解説しています。
あわせて読みたい理念の英語表現と使い分け|ミッション・ビジョン・バリュー・パーパスの実例ガイドたとえば “Our mission is to help manufacturing companies expand into global markets with confidence.” のように、誰のために・何をするかを一文で示すのが基本です。抽象的なスローガンではなく、事業と直結した言葉を選ぶことが大切です。
② 事業内容・サービス概要——何をしている会社かを端的に伝える
Mission・Vision を示した後、自社が具体的に何を提供しているかを説明します。ここでは “We provide…” や “We specialize in…” を使い、製品・サービスの内容を簡潔に記述してください。
日本語の会社紹介ではサービスの詳細を別ページに委ねることが多いですが、英語の About Us では事業の全体像をこのページ内で把握できるように書くことが求められます。
③ 強み・実績——数字と事実で信頼を積み上げる
次に、なぜ自社が信頼に値するかを示します。ここでは定性的な表現よりも具体的な数字や事実が有効です。
- 導入企業数:500+ clients across 20 countries
- 業歴:Over 15 years of industry experience
- 受賞歴・認証:ISO 9001 certified / Named a Top 10 Vendor by〇〇
“We are trusted by…” や “Our clients include…” といった表現を使うことで、実績を押し付けがましくなく伝えられます。
④ Company Facts——設立年・従業員数・所在地などの基本情報
日本語では冒頭に来ることが多い基本情報は、英語の About Us では最後に置くのが自然です。Founded in〇〇・Headquartered in〇〇・〇〇 employees といった情報は、信頼づくりが済んだ後の「裏付け」として機能します。
この順序の背景にあるのは、英語圏の読み手が「会社の意義や価値」に共感してから詳細を確認するという情報処理の流れです。逆に、基本情報を先に並べてしまうと、読み手が途中で離脱しやすくなります。構成の順序そのものが、信頼の積み上げ方に直結している点を意識してください。
会社紹介の英語例文——セクション別のテンプレートと解説
英語の会社紹介は、セクションごとに「何を伝えるか」を明確に分けて構成するのが基本です。以下では、BtoB企業を想定した4つのパートそれぞれに例文とポイントを示します。英語に不慣れな場合でも、例文の構造を把握すれば自社情報への応用がしやすくなります。
Mission・Vision の例文と書き方のポイント
ミッションは「なぜ存在するか」、ビジョンは「どこを目指すか」を端的に述べます。一文に収めるのが理想で、抽象的な美辞麗句より具体的な動詞を選ぶことが重要です。
- Mission 例文:We help manufacturers reduce operational costs through data-driven process automation.
- Vision 例文:We envision a world where every factory runs at peak efficiency with minimal waste.
「We help + 対象 + 動詞」の構文は、誰の何を解決するかが一目で伝わるため、BtoB向けのミッション文として汎用性が高いです。
事業概要(What We Do)の例文と書き方のポイント
事業概要は「何を提供し、誰のどんな課題を解決するか」を2〜3文でまとめます。専門用語を使う場合は直後に説明を補足すると、初めて接触した海外読者にも伝わりやすくなります。
- 例文:We provide cloud-based supply chain management software for mid-sized manufacturers. Our platform connects procurement, inventory, and logistics into a single dashboard. This enables real-time decision-making across your entire supply chain.
三文構成(提供物→機能→効果)を意識すると、読み手が内容を整理しやすくなります。
強み・実績(Why Choose Us)の例文と書き方のポイント
強みは抽象的な形容詞ではなく、数値や具体的な事実で示します。「高品質」「信頼性が高い」といった表現は英語圏では説得力が低く、データや実績で裏付けることが求められます。
- 例文:Over 300 manufacturers across Asia trust our platform. Our clients report an average 25% reduction in inventory costs within six months. We offer 24/7 multilingual support in Japanese, English, and Mandarin.
数値・導入社数・サポート体制の三点を並べると、BtoB的な信頼感を短文で築けます。
会社概要テーブル(Company Facts)の例文
Company Facts(または Company Profile)はテーブル形式で整理するのが一般的です。以下の項目と例文を参考にしてください。
- Company Name:CLANE Inc.
- Founded:2012
- Headquarters:Tokyo, Japan
- Employees:Approx. 120
- Business:Cloud software development and digital transformation consulting
- Clients:300+ companies across manufacturing and logistics sectors
会社概要ページの項目別英語テンプレートと記入例は、こちらの記事でまとめています。
あわせて読みたい会社概要ページの英語表現と書き方|項目別テンプレート・例文付きFounded には「設立:〇〇年」の意味があり、Established と同義で使われます。Employees は「約〜名」を Approx.(approximately の略)で表現するのが自然です。Business の項目は事業内容を一行で要約する箇所であり、社内で使っている日本語名称をそのまま直訳しないよう注意が必要です。
和製英語・直訳ミスに注意——よくある誤表現と正しい言い換え
日本語の会社紹介を英語に直訳すると、文法的には正しくても読み手に伝わらない、あるいは不自然な印象を与える表現が生まれやすくなります。英語圏の読み手は「意味が通れば良い」ではなく、「自然なビジネス英語かどうか」を無意識に評価しています。以下では、現場でよく見られる誤表現をパターン別に整理します。
「総合的」「幅広い」——曖昧な修飾語は削るか具体化する
「総合的なソリューションを提供します」をそのまま訳した comprehensive solutions は、英語圏でも使われる表現ですが、それだけでは何の会社なのかが伝わりません。「何に対して、どのような解決策を提供するのか」を具体的に示さない限り、読み飛ばされる可能性が高くなります。
- 誤(直訳):We provide comprehensive and wide-ranging solutions.
- 改善例:We help manufacturers reduce procurement costs through supply chain digitalization.
「幅広い」に相当する wide-ranging / broad も同様です。修飾語を削って事業内容を動詞と目的語で直接示すほうが、英語らしい文体になります。
「ご支援・お手伝い」——help / support / partner with の使い分け
日本語の「ご支援いたします」を We support you. と訳すケースがあります。文法的には誤りではありませんが、英語圏ではやや受け身で弱い印象を与えます。動詞の選択によってニュアンスが変わるため、文脈に合わせた使い分けが必要です。
- help + 動詞原形:具体的な行動を助ける文脈(例:We help you streamline operations.)
- support:継続的なサービス・バックアップを示す文脈(例:We support your growth with dedicated account management.)
- partner with:対等な協業関係を強調する文脈(例:We partner with leading enterprises to accelerate digital transformation.)
BtoB向けの会社紹介では、partner with を用いることで対等なビジネス関係を示せるため、信頼感の醸成につながりやすくなります。
「設立」「創業」——founded / established / incorporated の違い
会社の起源を示す表現として、founded・established・incorporated の三つが混用されるケースが多く見られます。それぞれの意味は以下のとおりです。
- founded:会社や組織が初めて立ち上げられた事実を示す。最も一般的な表現(例:Founded in 2005)
- established:founded とほぼ同義だが、歴史・実績・信頼を強調したいときに用いる(例:Established in 1978)
- incorporated:法人登記の事実を指す法律的な表現。一般的な会社紹介文では使いすぎに注意
よくある誤りとして、「We established in 2010.」 のように自動詞として使うケースがあります。established は他動詞のため、「We were established in 2010.」 または 「Established in 2010」 と表記するのが正しい形です。
「〜を行っております」——be動詞+ing か、動詞直書きか
「〜を行っております」は日本語では丁寧な表現ですが、英語に直訳すると冗長になります。「We are engaged in the provision of IT services.」 のような形は、「We provide IT services.」 と動詞直書きにするだけで読みやすくなります。
- 冗長な表現:We are conducting business operations in the field of logistics.
- 改善例:We operate logistics networks across Southeast Asia.
英語の会社紹介では、能動態の動詞を主語の直後に置く構造が基本です。「〜を行っております」「〜に取り組んでおります」は、ほぼすべての場合で動詞一語に置き換えられます。会社紹介の英語表現を見直す際は、まずこのパターンを確認するところから始めると効率的です。
媒体別の書き方の違い——Webサイト・PDF資料・メール署名・LinkedInで異なる構成
会社紹介の英語コンテンツは、「どこに掲載するか」によって適切な長さ・トーン・構成が大きく変わります。同じ内容を全媒体に流用しても、伝わりにくさが生じます。媒体ごとの読まれ方を意識して、それぞれに合った形式で書き分けることが重要です。
Webサイト(About Usページ)——スキャンされることを前提に短く・視覚的に
About Usページは、訪問者がじっくり読むのではなく、斜め読み(スキャン)する前提で設計する必要があります。推奨する文量は、セクション全体で150〜300語程度です。
構成の基本は、「何をする会社か」→「誰のためか」→「なぜ信頼できるか」の順です。各ブロックは2〜3文にとどめ、見出しやアイコンなどの視覚的な区切りを活用します。長い段落は読み飛ばされやすいため、一つの段落に一つのメッセージを割り当てる構成が有効です。
PDF会社案内(Company Profile)——フォーマルなトーンで網羅性を持たせる
PDF形式の会社案内は、商談前の事前確認や稟議資料としての利用が想定されます。そのため、フォーマルなビジネス英語で書き、情報の網羅性を重視します。推奨文量は300〜600語程度です。
含めるべき項目は、会社概要(設立年・所在地・従業員数)、事業内容、主要顧客や実績、強みや差別化ポイント、連絡先です。箇条書きと段落文を組み合わせると、読みやすさと情報量を両立しやすくなります。口語表現や省略形(例:we’ve より we have)は避けるのが基本です。
メール・Company Brief——3〜5文に圧縮した社名・事業・特徴の要点
メール署名やCompany Briefに添える会社紹介は、3〜5文・50〜80語以内が目安です。初めて接触する相手に対して、最小限の情報で関心を引くことが目的になります。
構成は、「社名+事業領域」→「対象顧客と提供価値」→「簡単な実績か特徴」の順が機能しやすいです。例えば、”CLANE is a Tokyo-based web design firm specializing in B2B digital experiences. We help manufacturers and SaaS companies create websites that convert overseas prospects into leads.” のような形が参考になります。
LinkedIn Company Page——検索に引っかかるキーワードを意識した書き方
LinkedInのCompany Pageは、プラットフォーム内の検索に加えて、GoogleなどのSEOにも影響します。About欄には2,000字まで入力できますが、冒頭の156字前後が検索結果のスニペットとして表示されるため、最初の2〜3文が特に重要です。
業種・サービス名・ターゲット顧客を表すキーワードを自然な形で冒頭に組み込みます。たとえば”B2B web design”や”manufacturing industry”など、見込み客が検索しそうな語句を意識します。トーンはWebサイトより少しカジュアルでも構いませんが、過度に砕けた表現は避けるのが無難です。
英語の会社紹介を整備する際の実務的な注意点——CLANEが現場で見てきた課題
英語版の会社紹介やAbout Usページを制作・リニューアルする際、多くの企業が「翻訳すれば完成する」と考えて着手します。しかし実際の制作現場では、翻訳以前の段階で起きる問題が品質を大きく左右します。CLANEが関与してきたプロジェクトから、特に頻出する課題を整理します。
日本語原稿の整理が先——英語化の品質は元原稿で決まる
英語版の品質は、日本語原稿の完成度に直結します。日本語の時点で曖昧な表現・社内用語・冗長な説明が混在していると、翻訳者やネイティブチェッカーがその意図を正確に解釈できず、英語でもぼやけた文章になります。
CLANEが関与した案件では、英語化の前工程として日本語原稿の構造整理を行うケースが少なくありません。「当社は総合的なソリューションを提供します」といった抽象的な表現は、英語に置き換える前に「何を・誰に・どのような方法で提供するのか」を明確にする必要があります。元原稿の精度を上げることが、英語品質を担保するための最初のステップです。
機械翻訳の活用範囲と、ネイティブチェックが必要な箇所
DeepLやGoogle翻訳の精度は年々向上しており、下訳として活用できる場面は広がっています。ただし、機械翻訳をそのまま公開用テキストに使うことにはリスクが伴います。
特にネイティブチェックが必要な箇所は以下のとおりです。
- 企業理念・ミッションなど、ニュアンスが重要なコピー文
- 業界特有の専門用語や、英語圏での慣用表現が定まっている領域
- ページの冒頭・見出しなど、最初に読まれる箇所
社内向け資料や参考用のドラフトであれば機械翻訳で十分なケースもあります。一方、海外顧客・パートナーが最初に目にするAbout Usページは、ネイティブスピーカーによる文体・語調の確認を経ることが望ましいです。
日本語版と英語版で構成・情報量を揃えるべき理由
日本語サイトと英語サイトで掲載情報に大きな差がある場合、海外の読者に伝わる情報が断片的になります。たとえば、日本語版には実績・事例・数値データが豊富にあるのに、英語版には概要しかないケースは珍しくありません。
この乖離は、信頼性の面で海外読者に不安感を与える可能性があります。グローバルサイトと日本語サイトのSEO設計を分けて考える場合でも、コンテンツの情報量は可能な限り揃えることが実務上の基本方針となります。CLANEでは、日英両版のコンテンツ設計を同時に進めることで、こうした乖離を防ぐ進め方を採用しています。
まとめ——会社紹介の英語化は「翻訳」ではなく「再設計」
会社紹介を英語で整備する作業は、日本語の文章を英語に置き換えることではありません。英語圏のビジネス文化に合わせて、情報の構成・表現・優先順位を一から設計し直す作業です。この点を出発点として押さえておくことで、作業全体の方針が定まります。
記事で取り上げた要点を整理すると、次のとおりです。
- 表現の選び方:「About Us」「Company Profile」「Corporate Overview」はそれぞれ用途が異なります。WebサイトではAbout Us、詳細資料ではCompany Profileが一般的です。
- 構成の設計:英語圏では「何者か・何ができるか・なぜ信頼できるか」を先に示す結論ファーストの流れが基本です。沿革や組織規模を冒頭に並べる日本式の構成は、伝わりにくいケースが少なくありません。
- 誤表現の回避:「our company」の多用、「reliable」「high quality」などの抽象的な形容詞、和製英語の直訳は信頼性を損ないます。具体的な数値や実績に置き換えることが有効です。
- 媒体ごとの対応:WebサイトのAbout Us、PDF資料、メール署名、LinkedInは、読まれる文脈と読者の状態が異なります。それぞれに適した情報量と構成に調整する必要があります。
- 実務上の注意点:翻訳者への依頼時のブリーフィング、法的記載事項の確認、更新体制の設計といった運用面の準備が、英語コンテンツの品質を長期的に維持するうえで重要です。
英語の会社紹介は、一度整備して終わりではありません。事業内容や実績が変わるたびに内容を見直し、英語圏の読者にとって「今も正確で信頼できる情報」として機能し続けるよう管理することが求められます。
日本語の会社紹介資料をそのまま英訳した状態からスタートしている企業は多いですが、その段階から「伝わる構成への再設計」に踏み込めると、海外向けの発信として機能するコンテンツに変わります。まず既存の英語表記を見直し、どの要素が英語圏の読者にとって不足しているか・過剰かを整理することが、実務上の現実的な第一歩です。
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